うたらぼ

アカペラのミキシングの初歩(ボリューム、定位の調整とちょっとだけプラグインを使った方法)

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うたらぼを御覧の皆様、こんにちわ。AJPでアカペラ音源のミキシングやマスタリングを手掛けさせていただいてます、AKKIと申します。

以前の2本の記事ではアカペラ音源での定位について述べさせていただきました。

今回の記事では定位について踏まえた上で、ミキシング超初心者の方向けにボリューム調整を中心としたミキシング方法について述べさせていただきます。

まずは図1を御覧ください(以降、全てLogic Pro Xの画面となります)。

こちらはリード+コーラス3声+ベース+ボイスパーカッションの合計6つの音源がトラック別に配置された状態です。
何も処理をしないで再生するとアウトプット(ここではOutput1−2)が赤字で表示されています。
全てのトラックの音は最終的にアウトプットのトラックに流れていきます。
そして、このトラックのボリュームは0db以下ではなくてはなりません。
まずはこれを覚えましょう。

さて、このままでは前回の記事で述べたように音がごっちゃになってしまうので、図2のように定位を変更します。

プログラム上での設定は図3になります。

定位(PAN)の設定が図2と同一になっています。さて、この状態でまずはコーラスをMute(音が聴こえなくする)しましょう。
まずは楽曲の肝であるリードとベース、ボイスパーカッションのボリュームをボリュームスライダーを上げ下げして設定してください。この時はOutputのボリュームが−5dbくらいになるように設定すると良いでしょう(Outputの赤文字だったところが緑になっていますね)
リード、ベース、ボイスパーカッションのボリュームがかなり下げられているのがわかりますね(スライダ上部の白文字がスライダのボリューム設定、緑色の文字が実際になっている音の大きさです)。

バランスが取れたらコーラスのミュートを解除して、ボリュームを調整してください。Outputの緑色の文字が先程の−5dbからコーラスが入った分、-3.5dbになっていますね。しかしまだ赤文字になるまでは充分にボリュームの余裕がある(ヘッドルームがあるとも言います)ということです。これだけ余裕があれば他の処理(リバーブ)を足しても0dbを超えて音が割れることはありません。

最後にリバーブを”Send”で掛けます。
図5では、全ての音源トラックの音がB21というトラックに”Send”で流されています。
Logicの場合、Sendsというところで流すトラック番号を設定すると自動的にSend用のトラックが作成されます(この場合はB21)。
なぜSendで掛けるかと言うと各トラックの音をまとめて管理でき、音にまとまりも出るからです。
Sendの量はLogicでは−∞から+6dbまで選択できますが、私のやり方は基準を決めたいのでコーラスパートのSendレベルを0dbにしています。で、リードは−6db、ベースとパーカッションは−8dbくらいから調整します。
リードを近くにするためにリバーブの掛かり具合を弱くしているわけです。
リバーブ自体の量はリバーブが設定されたトラックの音量を変更すれば一律で変えられてとってもやりやすいです。

バランスを微修正したら簡単なミキシングとしては終了となりますが、最後にもう一つ。

このままだと最大ボリュームが−3.5dbくらいなので耳感的にかなり音が小さくなってしまいます。そのためリミッターを使って音量を上げます。
図6はLogicについているAdaptive limiterというプラグインです。
Gainの部分を上げ下げして音が割れず音楽的な程度(これが難しいのですが)に音量をアップします。
どのリミッターにもCeilingという設定項目があります。ここはデジタル的な問題(省略します)があって−0.1dbや−0.2dbにしておくのが主流なようです(Ceilingで設定した音が最大音量となります)。

リミッターがOutputトラックに追加された状態が図7です。アウトプットのボリュームが−0.3dbに抑えられつつも大きくなっていることがわかりますね!!

これにてEQやコンプレッサーを使わない簡単なミキシングについては終了となります。ミキシングに尻込みしている方はぜひとも試してみてくださいね!
次回(があれば)もうちょっと突っ込んだ設定について述べてみようと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

AKKI

バンドの録音作品を自主製作したのをきっかけに、アカペラのミキシングとマスタリングを学んできました。 AJP内でこれら手法のノウハウ交換を行っています。 最近手掛けた作品はこちらにまとまっています。 https://www.foriio.com/akki-dtz

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