うたらぼ

第一回「ボイスパーカッションが意識したい3つのこと」

きいち ボイパ, リズム, 演奏, #アカペラ, #ボイスパーカッション, #ボイパ, #初心者向け,

アカペラという演奏方法にしか存在しない、ボイスパーカッション。

合唱やボイストレーニングの情報・知識を生かせる他のパートと比べて、圧倒的に上達のための情報が少ないのが現状です。

ボイスパーカッション(以下ボイパ)に興味を持って、できるようになりたいと思っていても、サークルの先輩からの言伝や、YoutubeでBeatboxerが発信している動画を見るしかありません。

そこでボイパをやりたいという人はもちろん、ボイパのことをもっと知りたいリード・コーラス・ベースの人のためにも、私なりにいろんな情報をまとめてみます。

初回はアカペラにおけるボイスパーカッションが意識したい3つのことという内容です。

そもそもアカペラにボイパは必要ない!?

いきなり申し訳ないですが、私はボイスパーカッションに対してはかなりネガティブな思考を持っています(12年もやってるくせに)
ネガティブというのはどういう意味かというと、究極的に言えば、

「アカペラにボイパは必要ない」

と考えています。

アカペラの醍醐味は人の声によって作られるハーモニーだと思います。
それは
「楽器を使っては奏でられない、聴き馴染みのいい倍音がなること」
「一人一人違う声の個性」
が、聴く人を引きつけるからだと思います。

日本のプロアカペラグループのトップであるゴスペラーズに、ボイパはいません。(酒井さんがボイパをする曲もありますけど)
最近非常に活躍してきているLittle Glee Monsterにもボイパはいませんね。

RAG FAIRには「おっくん」というボイパの人がいました。
あの人は本当にうまいと思います。今はアカペラ以外の活動を頑張っていらっしゃいます。個人的には戻ってきて欲しいです。
海外では、Beatboxの馴染みが深いため、Pentatonixをはじめとしていくつものボイパがいるアカペラグループが活躍しています。

日本では
 ボイパ=パフォーマンス
のイメージがまだまだ強く、あまり音楽として受け入れられていない、と思っています。

こんなにネガティブなことばかり書いていると、じゃあやらない方がいいじゃないか!となってしまうし、私の存在価値もなくなってしまうので、、、

「じゃあボイスパーカッションはどうあるべきか」

について、意識したい3つのことを書いていきます。

 

1.ボイスパーカッションは指揮者であれ

指揮者の画像

ボイスパーカッションは、一般的にバンドで言うドラムの役割を果たします。
ですが、バンドのように一番後ろで座っている必要はありません。
他のパートと並んで、目を合わせて歌うことができます。これはドラムと比較して大きな強みです。

他のパートと目を合わせて、曲のテンポ・強弱・タメを操作できるのは、オーケストラでいえば「指揮者」に該当します。

つまり、アカペラにおいてボイスパーカッションは単なるドラムの代わりではなく、
指揮者としてチームを引っ張る役目を果たすことができるのです。

もちろん発表の時に常にメンバーの方を見て歌うのは現実味がありません。指揮者としての役割を果たすためには、

全員の歌を注意深く聞いて、リードするような、あるいは寄り添うような演奏をしましょうということです。

これが意外と難しいです。

コーラスがどんなスキャットでどんなリズムで歌っているのか、リードはこの歌詞をどうやって表現しようとしているのか、それらを理解した上で、メンバーが歌いやすいようなリズム・音選びをしていかなければいけません。

いきなり聞くだけで全てを理解するのは難しいので、リードの人に「この歌詞はこういうイメージで合ってる?」と聞いてみるところから初めてみてはいかがでしょうか。

 

2.アカペラは個人戦ではなくてチーム戦


私が聞いていて惜しいなあと思うボイパの特徴は、「自分の技術のお披露目」をしているというパターンです。
完全に個人戦になってしまっていて、他のメンバーの人を見ることができていないような状態です。

前の章で指揮者であれと書きましたが、実際ボイパはドラムの音を出しています。

ドラムの音を出すのはそんな簡単な話ではありません。ボイパをやり始めた人たちは日々地道に練習していくのです。
もちろん他のパートも練習が必要ではありますが、そもそも音も鳴らせない状態から、できるようになっていくのは、嬉しいことです。

この嬉しさが落とし穴になってしまうのです。
たくさん練習してきたのだから、誰だって、
こんなふうに打てるようになった!こんなに細かく刻めるようになった!と
自分の技術の上達を誰かに見せたくなるものです。

そうすると、メンバーの歌いやすさや曲の表現よりも、「自分の技術のお披露目」に注力してしまう状態になってしまって、一体感のない演奏になってしまいます。

アカペラはチーム戦です。
常にチームとして一番いいパフォーマンスができるように演奏することが非常に重要だと思います。

普通、曲を聴く時はリードをメインに聴きますよね。
ドラムの技術をメインに聞く人はドラマーだけだと思います。
曲の中でリードの歌を邪魔することは絶対にしてはいけないのです。

ちなみに私は「演奏中ほとんど目立たないボイパ」が理想のボイパ像です。 

 

3.リズムと「音色」で曲を作る

指揮者として全体を引っ張りながら、ドラムとしてリズムを作るボイパは、曲の表現のために多くのリズムと音色の引き出しを持つことは非常に重要だと思います。

リズムについては、インターネット上に様々な情報がまとめられています。私もこの点はまだまだ勉強する必要があると思っています。最低限、シャッフルとスウィングくらいは学んでおくといいと思います。

J–POPでも、洋楽でも自分の好きな曲を聞いて、ドラムがどんなリズムを打っているのかを注意して聞くだけでも、いいと思います。

一方で見落としがちなのは音色の方です。

ドラムセットのバスドラムからスネアドラム、タムなどは、基本的には一曲の中で固定して使われています。シンバルはその音色ごとにいくつもセットされているのもよく見ますね。

一方ボイスパーカッションでは、全て口から出ますので、一曲の中でスネアもバスドラムも音色を調整することができます。

曲中で音色を変えるべきというわけではなく、
ドラムセットに対するボイパのメリットが無限の音色のバリエーションにあるということです。

そもそもスネアドラムの音は一人一人違います。
その個性があった上でどうすれば本物のスネアドラムっぽい音が出るのかを研究するのももちろん大事ですが、

アーティストによって、曲によって、様々なスネアドラムが使われているのを意識するのも大事なことです。

アコースティックな曲調であれば少しアタックを少し弱めたり、テンポのはやい曲調であればスネアの音の響きを軽くしたり、短くしたりなど、いろんな工夫をすることができます。

具体的なことはここでは書きませんが、普段聴いている曲のスネアドラムがどんな音なのかをよく聴いて、それに近い音が出せないか、研究してみてはどうでしょうか。
リズムだけでなく、音色で曲を表現することを意識してみましょう。

  

いかがでしたでしょうか、初回という事もあり抽象的な内容が多かったですが、上記のような意識を持つだけでも大きく成長することができると考えています。

実際私も自分の技術をアピールしまくっていた時代もありました。そんな時期はもったいないので、これから始める人にこの記事が届いて欲しいと思います。
また、ここに記載した内容は、全て私の経験に基づいたお話です。何が正しいというわけではありません。
いろんな人のボイパについての考え方を知ることが大事だと思います。

次の記事もお楽しみに!

きいち

ボイスパーカッション12年目のアカペラーです。特に何の活躍した経歴もありませんが、記事を書きます。千葉大学T.o.N.E.出身。 趣味はカメラ 社会人ではre Lifeというアカペラサークルに所属しています。

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