うたらぼ

原曲のリズムが細かいフレーズ→”息継ぎ問題”の対処について

らた アカペライズ, 楽曲制作, 編曲, #アレンジ, #採譜, #編曲, #耳コピ,

アカペラアレンジをしていると、原曲では(息継ぎを必要としない)楽器で演奏されていたフレーズをそのまま声に置き換えたため無理が生じることがあります。ロングトーンであれば末尾でカンニングブレスできますが、リズムが細かいフレーズは特に悩みます。

もちろん歌い方でカバーすることもできるのですが、ここではアレンジとしての工夫をいくつか紹介します。

今回も音と譜面で確認してもらうため[Before/After]動画を作りました。

①人数を活かして負担を分散する

例:春よ、来い(松任谷由実)イントロ

Topコーラスの息継ぎ問題です。

[Before] 原曲のイメージをそのまま打ち込むと、Topコーラスが大忙しです。このまま歌いこなすことが出来れば問題ないのですが、苦しい場合は、
[After] フレーズを分解して、他のパートに振り分けます。

これはTopコーラスのブレスの隙間を作るだけでなく、“音飛び”を減らして歌いやすいラインにするという意味もあります。

楽器が広い音域を弾くフレーズをアカペラにする時は、ベルトーンで解決することもあります。

②リズムパターンを変える(ベース)

例:Pretender(Official髭男dism)サビ

こんどはサビのベース息継ぎ問題です。

[Before] こちらも、息継ぎが苦しくなければ全く問題ありませんが、苦しい場合は、
[After] ドラムとの関係を見ながらリズムパターンを変えてみました。休符を挟むことでメリハリもつけやすくなります。

もっとも、経験のあるベースボーカルの方であれば楽譜上無理のあるベースラインでも自主的にブレスポイントを見つけて歌えるという人も多いと思います。そういう方に質問したり、楽譜を添削してもらったりするとアレンジがより良くなるかもしれません。

プロアカペラグループのカバーで見るアレンジ法

ここからは、素人の僕が言うより5億倍説得力のある(!!)プロの動画で紹介します。原曲のMVと並べますので、紹介するポイントを聴き比べてみて下さい。

PentatonixのPretenderカバー(イントロとサビ)

ペンタ版プリテンダーは先述の①②両方使ってます。イントロのコーラスサビのベースに注目して聴いてみて下さい。

ゴスペラーズのロビンソンカバー(イントロ)

「関ジャム」のアカペラ特集ではサビのアレンジの凄さが紹介されていましたが、イントロのアレンジもスゴいです。原曲の(口で歌うのは難しい)ギターリフをベルトーンでアカペラ映えする形に消化し、さらにテンションコードを巧みに使って原曲に負けず劣らずのインパクトを持ったイントロになっています。

DowendeのHuman Natureカバー(イントロ)

「Na Na Naというリズムを刻みやすいスキャット」「ラインを真っすぐにして歌いやすくする」、さらに「イントロに入る前に、原曲のサビで出てくるフレーズをユニゾンしてキャッチーにする」など、アカペラアレンジのテクニックが詰まっています。

このように原曲とアカペラをポイントを絞って聴き比べると、使っている技が見えてきます。“アレンジの勉強”以上に単純に発見として面白いので、そんな風に楽しみながら引き出しを増やしてみてはいかがでしょうか。

お知らせ

AJP編集部の連載企画「私のアカペラアレンジの進め方」に寄稿させて頂きました。色んなアレンジャーさんのやり方を紹介する企画なので、ぜひシリーズで読んでみて下さい。

らた

2011〜2014年度、早稲田大学StreetCornerSymphonyに所属。 2018年より名古屋の社会人アカペラサークルA-radioに所属。 また音楽投稿サイトnanaで「カペ羅太」の名前で多重録音などを不定期で投稿しています。 https://nana-music.com/users/8975107

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