うたらぼ

有料プラグインを買いたいアカペラー向けガイド −2020 Black Friday izotope編−

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はじめに

うたらぼを御覧の皆様、おはこんばんにちわ。AJPでアカペラ音源のミキシングやマスタリングを手掛けさせていただいてます、AKKIと申します。

Black Fridayからホリデーシーズンまではエフェクトプラグインが最も安く買える時期です。前回のWaves編に引き続き、ミックスをやっているアカペラーの中で使用者が多いiZotope社のプラグインについて、アカペラミキシング/マスタリングで使えそうなものに絞って初心者向けにガイドを書いてみます。
Wavesの時と同様に2020年11月18日現在 iZotope社も盛大にセール中ですが、他の時期にもっと良いDealが出たらごめんなさい。

iZotope社製プラグインのEditionについての注意

本題に入る前にプラグインのEditionについて。iZotope社だけの話ではありませんが、同じプラグイン名でもEditionによって機能制限があることにご注意ください。今回は下記3つの機能と価格が異なるEditionが存在します。

  • Elements
  • Standard
  • Advance

この点を理解せずにプラグインを購入して欲しかった機能が無いのに気づくと、メンタルとお財布のダメージがとても大きいのでお気をつけください(今話題のHoliday bundle(4900円)に入っているプラグインの中でエディションが複数あるものは全て最下位のElementsが収録されていることにご注意を)。

アカペラミキシング初心者が購入すべき製品はあるのか

iZotope社の代表製品は以下の3つが代表的なものになるでしょう。

  1. Ozone9:マスタリングツール
  2. RX8:ノイズ対策ツール
  3. Nector3 plus:ヴォーカルミキシンググツール

RX8やNector3についてはおいちゃんさんの記事で触れられています。

さてこれら3つの中で「有料プラグインを全然持っていないんだけどミキシングをはじめたアカペラー」方に導入必須と言い切れるのは、RX8(Standard edition以上)だけだと私は考えています。
なぜかと言えばアカペラーの宅録音源は残念ながら現在のところノイズまみれで洗練されていないからです。部屋の共鳴音、環境音、デジタルノイズなどミキシングされてる方々の苦心の声はよく聞きます。それらをRx8は効率よく取り除くことが出来るのです。

アカペラ−向けRX8の機能

Elements収録

  • De-hum(電気ノイズ)
  • De-click(クリックノイズ)
  • De-clip(クリッピング)
  • Repair Assistant(自動ファイル修復)

Standards収録(Elementsに加えて)

  • Breath Control(ブレス)
  • De-crackle(重なったクリックノイズ)
  • De-reverb(部屋鳴り)
  • De-plosive(息の吹かれ)
  • De-ess(歯擦音)
  • Mouth De-click(唇の音)
  • Spectral De-noise(パターンが有るノイズまとめて)が追加されます。

私がRX8の中で使用頻度が高く便利と感じているのは、Spectral De-noiseとBreath Controlです。そのため、これらが入っていないElementsを買うのは推奨できません。そして残念なことに今回のセールではRx8 Standard editionはセール対象ではありません!!

Ozone9Nectar 3 plusは?

Nectar 3 plusはボーカルのミキシングをOzone9はマスタリングを音源に合わせてAIが数十秒で自動的に設定してくれるウルトラ便利ツールです。
しかし、有料プラグインを持っておらず、ましてやEQやコンプレッサーの仕様を理解していない初心者がこれらを導入しても、適切に使いこなせない懸念があります。なぜならこれらプラグインは結局の所は内部にEQやコンプレッサーがまとめられているためです。

EQやコンプレッサーの設定をAIが自動的に実施してくれるのは大変便利です。でも、原理原則が分かっていない状態ではプラグインがなぜその設定を選んだのか理解できませんし、設定結果を修正できないということにつながるんですね。
もしそうだとしたら自分でプラグインを一つずつトラックに刺しトライアンドエラーでプリセットを選んでいくのでも変わらないのでは?というのが持論です。
なにより、ある程度理解してから使った方がありがたみも弱みも理解できると思います。

更にマスタリングに限った話をするなら、適切に整備されていない我々素人の環境で「本来のマスタリング」と言えるレベルまで作業を追い込むのは難しい。
単に音量を上げるだけならEQとマルチコンプレッサーとリミッターを使った例がネット上に山程あります。

それじゃあ今回のセールで買うものはない?(Ozone9Nector3 plusそしてMelodyne 5が今すぐ欲しい人はチェック)

いいえ、あります。

それはPhoenix verb(現在990円!)です。個人的には多用していた他社製のLXP naitive reverbがMac OS X Catalina対応にならないため同一製作者と言われているこのプラグインに乗り換えました。

更にiZotope社のセールではクロスグレード(iZotope社製の有料製品を一つ持っていれば適用可能)というシステムがあります。

Ozone9Nector3 plusが欲しい人はPhoenix verb 購入後にクロスグレードでTonal balance bandleというバンドルが19,900円(定価104,800円)で購入可能です!

Tonal balance bandleのいいところ。

  • 収録されているOzone9Nector3 plusは最上級グレード。Ozone 9は最上級バージョンになると中のEQとかも1個ずつ抜き出して使用できるようになり、手持ちのプラグイン数が単純に増えるし便利。
  • ミキシング初心者必須プラグインTonal balance control 2が収録。詳しくは製品ページを見ていただければ良いのですが、これがとにかくわかりやすい。現在のミックスのEQバランスを理想曲線とリアルタイムに比較できる。ミキシングの勉強をしたい初心者だけではなく腕を磨きたい中級者にも必須アイテムだと思います。
  • Nector3 Plusには著名な音程補正ツールMelodyne 5が無料で付属!

2万円ちょっとあればRX8 以外の必要なものが全部揃ってしまう、すさまじいコスパバンドルなのです。

まとめ

  • Holiday bundle(4900円)は使用可能性があるプラグインが全てElementsなのでおすすめしない。
  • RX8だけが欲しい人は今回は待ち。クロスグレードの踏み台にPhoenix verbを購入しておく。
  • ある程度プラグインを持っていて、マスタリングツールが欲しい人または手持ちプラグインを含めたミキシングやマスタリングを詰めたい人は Phoenix verb購入からのTonal balance bandleを買う。いずれRX8Ozone9Rなどからのクロスグレードで購入するのが良いでしょう。
  • 無料プラグインしかない状態から今回一通り揃えるというのなら、Waves編でご紹介したWaves renaissance-maxxバンドル(11,000円)を購入し、Phoenix verbからのTonal balance bandleを追加すると3万円弱で一通り揃います。

長文をお読みいただきありがとうございました!皆様のプラグイン購入沼の第一歩となれれば(!?)幸いです。

AKKI

バンドの録音作品を自主製作したのをきっかけに、アカペラのミキシングとマスタリングを学んできました。 AJP内でこれら手法のノウハウ交換を行っています。 最近手掛けた作品はこちらにまとまっています。 https://www.foriio.com/akki-dtz

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