らた
2011〜2014年度、早稲田大学StreetCornerSymphonyに所属。 2018年より名古屋の社会人アカペラサークルA-radioに所属。 また音楽投稿サイトnanaで「カペ羅太」の名前で多重録音などを不定期で投稿しています。 https://nana-music.com/users/8975107
こんにちは!らたと申します。
突然ですが、川柳を作りました。
アカペラは リモートだって 凄ハモり
↑「巣ごもり(スゴモリ)」の真ん中に「ハ」を挟むと「凄ハモり(スゴハモリ)」になります。
…という言葉遊びから作ったに過ぎないのですが、このコロナ禍の中、サークルやグループで集まれなくても、リモート演奏や多重録音で素晴らしいハーモニーを作りたい!というアカペラーの方もいらっしゃると思います(筆者もその1人です)。そこで今回は
R=リモート
A=アカペラや
T=多重録音に使えそうな
A=アプリ
→RATA(らた)リサーチ
と(DAIGOさん風に)題し、筆者自ら使ってみて「これは音源作りに活かせそう!」と好感触を得たアプリを計4つ紹介します。それぞれのアプリで同じフレーズを試作したので、聴き比べながら参考にして頂ければと思います。
目次
・筆者のスマホシステム環境…機種 S3-SH / Androidバージョン 9
・課題曲…The Gospellers「終わらない世界」(←Spotifyリンクです)のサビ
・無料の範囲で作ること(“ここから有料!”のポップアップが出たら戻る)
※この記事では、実例として上記課題曲を各アプリで作った音源を紹介しますが、筆者がミキシングに詳しくないため、整音が不十分です。イヤホンの音量等によってはノイズが不快に聴こえる可能性がありますので、ご注意下さい。
※レビューの内容は筆者個人の感想を含みますので、アプリの詳細はリンク先(GooglePlayStore)等の公式情報を参照下さい。スマホの機種や使用環境によって操作性が変わることもあります。
※当記事では映像制作アプリについては触れていません。以下でYouTubeにあげた課題曲についてはPowerDirectorという映像編集アプリで動画化しています。
※記事公開時点での情報なので、今後アプリの仕様が変わることがあります。
※クリエイティブ系のアプリだけに、容量(ダウンロードサイズ)・データ使用量・電池消費などにご注意願下さい。
まずはこちら。この手の話題でよく紹介されるGarageBandはiOS限定なんですよね。筆者のスマホはAndroid。色々試した中で「これならAndroidでもいける!」(※個人の感触です)と思ったものを紹介します。
録音直後にプレビューしてもほぼ音ズレがなかったので、ストレスなく作業を進めることができました。また書き出し時にステレオが選択できたり、リバーブなどのエフェクトが無料範囲でも掛けられました。
ただ曲の長さが30秒を超えると有料版になります。無料版の中で楽しみたい場合は、短いフレーズで気軽に作りたい時に向いているのではないかと思います。
あと、全部英語です(笑)。でも画面のビジュアルや単語でなんとなく操作がわかるので、そこまで苦労はしないのではないかと思います。
全体的に、GarageBandに近いアプリだといえます。多重録音後のプレビューではわずかな音ズレが起こりますが、後で波形を見ながら手動で修正できます。また外部の音声ファイルを読み込むこともできるので、バンドでリモート音源を作ることも可能だと思います。
一方、1プロジェクトで録音できるパート数の上限が5なので、6声人以上の場合は5声以内で1回書き出して1つの音源にしてから再度読み込みが必要です。また音量を変えたりタイムラインをズームした時などに波形が乱れることがあります(音自体は乱れませんでした)。
注意点としては、パートを重ねる時、デフォルトがミュート(さっき録音したパートが聴こえない)なので、解除する必要があります。
なお大変申し訳無いのですが筆者では詳細がわからなかったのが、エフェクトの設定。リバーブをONにしても反映されませんでした(orz)。
またメトロノーム機能もあったのですが、録音時にクリックが聴こえませんでした。バンドでリモート音源を作る時は、音取り用のmp3ファイルなどを読み込んでそれを聴きながら録る方が良いかもしれません。
お馴染みの方も多いであろうnanaですが…ここで1つお詫びがあります。nanaに関しては私、昨年から有料会員でゴリゴリにやっているため、実験の条件から外れることになってしまうのです。申し訳ございません!
そのため私がこれまで使ってきてわかったことを紹介します。
まずなんと言っても「録音→編集→アップロード→公開」という工程がすべて1つのアプリの中で完結する利便性が魅力です。音声だけで発表できるので、別途動画編集する手間がないことも利点です。
またコラボ用アプリなので他のユーザーとのセッションが簡単です(録音データを送り合う必要がない)。
そして驚くべきことに、SkoopOnSomebodyのTAKEさんもnanaを活用していらっしゃいます(公式Twitterより)。
注意点は、要会員登録であること。曲尺が90秒までという制限があること(ハモネプ用のアレンジの練習には良いのかも)。
アカペラーにとって痛いのは、シークレット(非公開)投稿が有料のためプレミアム会員にならないと作成途中の音源も公開されてしまうこと。内輪なイベントでリモートアカペラを楽しみたい方には向いてないと思います。
ミキシング面では、1パート重ねる毎に書き出しされるので、パートを全部並べて個別に調整することができないのも難点です。しかしアプリではなくWEBサイトからログインすれば、別のアプリやソフトでしっかり編集した音源を投稿できます(その際はフォーマットにご注意、モノラルなのでパンは反映されません)。
また自他問わず投稿作品を音声ファイルとしてダウンロードする機能がありません(※2021.01.18追記:こちらのアナウンスから、ダウンロード機能は試験導入されたものの本運用には至らなかったそうです)。
とにかく作品を外部に発信したい人に向いたアプリです(なので権利的な注意点もアナウンスされています)。
他には、現在のnanaは音がモノラルで音質もあまり良くないのですが、その分すぐ”諦め”がつくので細かい編集等の労力が軽減されるという側面もあります。ただ、今後動画化・高音質化が計画されているとのこと。シンプルに期待したいことではありますが、データ消費や編集の負担が増える可能性もなくはないので、注目していきたいです。
筆者のnanaページではリードだけでなく色々なパートでコラボができるような投稿をしていますので、のぞいてみて頂けると(欲をいえばコラボして頂けると)とても嬉しいです(笑)。
最後に紹介するのは多録アプリではないので、「番外編」と言っても良いかもしれません。音声ファイルを読み込んで、音の高さと速さを変えることが出来るアプリです。
※ここではPCM録音Liteで録音し、筆者愛用のPCに内蔵のGarageBandで(ノイズを少し抑えるなどごく簡易な)編集をしました。
試しに、パートの中でベースだけオクターブ上で歌い、それを加工でオクターブ下げるという手法で課題曲を作ってみると…
想像通りベースだけ別人みたいになってしまいましたが(笑)、これを使って、例えば女声バンドが男声ベースの楽譜を歌ったり、普段のパートをシャッフルして歌ったりすることもできそうです。
今度は録音の時BPMを半分にしてゆ〜っくり歌い、それを加工で2倍速にして元のテンポに戻してみました。
ゆっくり歌ったものをギュッと縮めたので、プルプルと細かく震えた声になってますね(笑)。
こんな風にで色々な効果を試すことができるので、リモートならではの面白さを追究してみてはいかがでしょうか。
いかがでしたでしょうか。もちろんサンプルが私1人しかいませんし、また私が操作を十分理解していない可能性もあるので参考程度にしかならないとは思いますが、少しでもお役に立てたら幸いです。試行錯誤しながら音源を作ってみてください!
文:らた / 協力:河野(パパ)
2011〜2014年度、早稲田大学StreetCornerSymphonyに所属。 2018年より名古屋の社会人アカペラサークルA-radioに所属。 また音楽投稿サイトnanaで「カペ羅太」の名前で多重録音などを不定期で投稿しています。 https://nana-music.com/users/8975107