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リモートアカペラの初期構想と進化について

おいちゃん クリエイティブ, その他, 音響, #VR・AR, #デジタル化, #リモートアカペラ, #歴史,

リモートアカペラというものの概念として最近少し異なる考え方を持たれる方が増えてきて、自分がそれなりに楽しくリモートアカペラというものを楽しんでいる分、自分の考えで違った解釈をされないように自分の考えについて予め紹介しておきます。

まずこのリモートアカペラという言葉の由来は最初、リモート(オンライン)上でアカペラを出来ないか?という試みから来ていて、そのうち誰かがそれを省略してリモートアカペラという呼ばれ方をするようになりました。この言葉が定着する以前はぬ。さんの動画にもあるようにテレワークでアカペラなど、オンライン上を指す言葉を多種多様に使われていたように感じます。

しかしこのリモートアカペラという概念はそもそもこのコロナの影響により普及しただけであって、理論的には以前から存在していました。ただMIXの手間であったり、実際に会って歌う楽しさであったりを考えて、やる人がほぼいなかった為、あまり知られていなかったというのが現状でした。 つまりコロナウィルスが蔓延した結果このような文化が生まれたというわけではないのです。 ただ単にそれをする人が増えたというだけの事ですね。

ではリモートアカペラというのは元々どのような理論(考え方)に基づいていたのでしょうか?それは簡単で、ミキサーへの入力及び、出力経路のワイヤレス(仮想)化、それに伴う物理的な制約の解除という概念に基づいています。

多くの方は何を言っているんだ?と思われると思うのでもう少し噛み砕いて説明します。そもそもMIXなりMTRなり2mixのLINE録音なりで皆さんは最終的に何を求められるでしょうか?はい。録音されたデータです。このデータを作成する段階を究極的にデジタル化、もっと言えば作成されたデータを再生するのもデジタル化(ライブなどで同じ音源をみんなで聞くのではなく、それぞれがそれぞれのタイミングで同じ音源をそれぞれが好きな場所で聞く)するという考えを基にしています。

具体的に説明しましょう。まず皆さんがサークルで所有しているアナログミキサーを思い出してみて下さい。アナログミキサーにはチャンネルというものが存在しており、各チャンネルにマイクにつながったケーブルを挿入する事でマイクからの信号をミキサー内に取り込む事が出来ます。そしてそれらの信号を適切に処理し、MIXされた音源をメインスピーカーから出力する事でマイクに声を入れるとスピーカーから音が出る仕組みですね。リモートアカペラというのはこの一連の流れを究極的にデジタル化した結果ですね。まずどんな時でも録音をする時は、必ず録音をする機械が必要ですよね。レコーダーなり、オーディオインターフェースなり、録音環境はサークルによってまちまちですが必ず同じ手法が取られてきました。それが多くの方の場合自分のスマートフォンに置き換えられました。そしてデータを渡す行為。今まではキャノンケーブルなどのマイクからの信号をミキサーに繋げるケーブルを使用していました。この間も通信によって出来るでのはないか?と考えたわけですね。それこそ最近ではギガファイル便やGoogle Driveなどのオンラインでデータをやりとりできるサービスが増えてきているのでそれを利用すれば簡単に出来ます。そして肝心なミキサーの部分はどのようにして代わりに行うか、それはDAWなどのソフトウェアでした。これらは最近では生のライブにエフェクターの代わりとして使われている事もあり、僕達にとってはごく一般的なもので当たり前のように購入、使用していました。またMTRを行う際にもほとんどの場合こちらを使われています。これによってミキサーもデジタル化をする事が可能になりました。さあ残るはスピーカーです。スピーカーは皆さんの音源再生デバイスを使用する事にしました(スマートフォンやパソコンなど)。しかしスピーカーから音源を再生する為には音源を相手に渡す必要があります。そこで使用したのがSNSという形です。

つまり音響をやっている人達にとってはリモートアカペラでやっている事は普段と変わらず、手段や環境が違うだけで本質(楽器を使わずに歌を歌ったり音楽を奏でる行為)は変わらないのだと思います。誰かと一緒に歌って行うアカペラにももちろん魅力はあると思いますし、リモートアカペラにはリモートアカペラの良さがあると思います。なので是非どちらかは必要がない。意味がないなどと抑圧せずどちらにも良さがある。そう思えるようになるときっと自分の選択肢が更に広がるのかなと思います。

上記で出てきたリモートアカペラの良さというものについても説明しておきたいと思います。リモートアカペラの良さをリスト化したら以下のようになります。

  1. 自主練習の質が上がる
  2. データという形で残せる
  3. いつ、どこでも、着手できる。
  4. データ作成において連続的な時間軸である必要性がない。
  5. データさえあれば誰でも見れる。
  6. データの作成スキルが上がる

です。またスキルが上がる事によって更にいい事があります。それをリスト化すると以下のようになります。

  1. 上がったスキルを生のライブやコロナ禍後の活動にも活かせる。
  2. またPAなどの生の音響などにも活かせる。
  3. 音響(物理)的な価値観で音楽を捉えられる。
  4. より音楽に対する理解が深まる。

です。音楽を今までした事が無くてアカペラをこれから始めようと思っている人は、是非音響などを学んでみると行き詰まった時に解決策を見つける糸口が見つかるかもしれないのでおすすめです。実際に僕も大学生になる以前は一切音楽を演奏したりした事がなく(それこそ最後に演奏した楽器はリコーダーかもしれないですw)、楽譜の読み方から学びましたが、音楽的な会話と音響的な会話には共通のワードが出たりするのでアカペラや音楽の理解がより深くなりました。皆さんの周りにも音楽理論などに精通していたり、精力的に活動している方々は音響を嗜んでいる方が多いのではないでしょうか?

少し脱線をしてしまいましたが、話を戻します。リモートアカペラというのは、上記より、アナログ環境の究極のデジタル化という概念に基づていて、より効率的に、誰でも、どこでも、いつでも参加できるというスタイルを確立させたものの総称であると思っています。そこに視覚的な情報(動画)をを付け加える事でよりリアルな仮想的な空間をデジタル上に作り出しているというのがこのリモートアカペラの現在の姿であると思います。

今後のリモート(デジタル)上でのアカペラはもう少し時間が経つと、次の時代へと突入すると思います。まずは完全なリアルタイムの通信によるアカペラでしょう。その技術が実用レベルで確立されたら次は、いわゆるVRやARという分野のものです。実際にこれがどの程度実用可能かと言われたら現段階では夢のまた夢でしょう。、しかし必ずそういった時代が来ると思います。新しいものを常に取り入れる若い世代にとってこんなに興味がそそられるものをほおっておくわけがないというある種の思いつきのような発想ではありますが。しかし実際にLittle Glee MonsterやたむらまろがYoutube上でVRに対応した(厳密には少し違いますが…)作品を公開しています。

作成するのにまず素人レベルでは到底不可能ですが、それを逆に拡張したARも同様に実現が可能なはずです。そうなった場合、きっとまたリモートアカペラと同じように色々な意見が交わされるでしょう。その時にこのサイトのような誰もが情報を探せば手に入れられる環境が存在し続けている事を僕は願っています。ご精読ありがとうございました。

おいちゃん

主に音響に関するテーマを展開します

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